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Showing posts from October, 2018

サヴとライジュアのイカット

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Savu_East Nusa Tenggara, 2011 サヴとライジュアのイカットについて、聞いた話と読んだ話し。 --------------------------------------------------------------- 2011年にサヴ島へ行った際に、イカットを織っているお家にお邪魔しました。 Savu_East Nusa Tenggara, 2011 Savu_East Nusa Tenggara, 2011 Savu_East Nusa Tenggara, 2011 Savu_East Nusa Tenggara, 2011 染める準備をした糸が吊るされたその下で、女性たちが織り機に糸を張っているところでした。 染め抜いた柄と柄の間を埋める無地の部分の糸を、あっちからこっちへと渡しています。 糸を、椰子殻に穴をあけたお椀に入れていました。 Savu_East Nusa Tenggara, 2011 花のモチーフの多いサヴのイカット。 このモチーフについて、渡辺万知子著『染織列島インドネシア』(2001年めこん)に記載があります。 母系社会のサヴでは、同じ祖先によってグループに別れ、決められた花の模様が家紋となる。 サルン(筒状に縫われたイカット)の幅の広い藍の無地の内側(上)の部分に家紋の主模様を大きく描く。 その模様から、どのグループに属しているのかが分かる。 サヴの模様は花鳥がメインで、他に水、星、鶏など。 王族の布にはパトラ(後述)、中国の龍、オランダの王冠などが、 男性の布には、花、鶏、ヤモリの足跡、ロンタル葉の水桶などの模様も用いられる。 のだそうです。 家ごとの模様については、サヴの隣のライジュア島でイカットを見せてくれたお家でも耳にしました。 Raijua_East Nusa Tenggara, 2018 模様によって、誰でも使っていい模様もあれば、その家族以外は用いてはならない模様もあるのだと。 このお家の家伝の図柄のノート。 Raijua_East Nusa Tenggara, 2018 Raijua_East Nusa Tenggara, 2018 このお宅ではおば

フローレスのイカット(染め)

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Flores_East Nusa Tenggara, 2016 2016年に東ヌサトゥンガラ州フローレス島に行き、イカット(絣)の行程を見せてもらいました。 その時のお話。 -------------------------------------------------------------------- 訪れたのは、今でも伝統的な手法を用いてイカットを作り続けている、ワトゥブラピ/Watublapiという村。 イカット保全の目的も兼ねてジャカルタで展示会をしたり、村でワークショップを実施したりしています。 この村では今でも、イカットが織れることは女性にとって必須事項で(男性もやるそうですが)、 染めから織りまで全てが出来て初めて、家族を持てると言われています。 そもそもイカットとは。 「縛る」を意味するイカット/Ikatの名の通り、糸を縛って模様を染め抜き、織ったもの。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 糸を張り、ヤシの葉を割いたもの(もしくはビニール紐)で白抜きの部分を絞ります。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 その上で色を染め、縛っていた部分を外し、改めて機に糸を張って織り上げていきます。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 ここで使う糸も、市販の糸を使ったイカットが増えている中、この村では手紡ぎの糸。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 綿の実を、まずはこの機械でコロコロと挟みます。 綿は向こう側に抜け、手前には種だけが残るという仕組み。 その綿を、ハンドル付きの糸紡ぎ機で糸にしていきます。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 足の指も器用につかって。 Flores_East Nusa Tenggara, 2016 出来上がり。 そしてここからは染の工程。この時